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| お問い合わせ 算数・数学 05. 「さんすうおじさん」の出てくる絵本 私の甥が、小さかったときのことです(私の子供ももちろん小さい)。 甥は、車で高速を飛ばしても、実家から4時間以上かかる離れたところに住んでいます。夏には家族で実家に帰ってきて、何日も滞在するのが毎年恒例の行事になっていました。 ある朝、その甥がプリントで算数の問題を解いているのを見ました。 甥は「さんすうおじさんが毎晩やってきてプリントを持ってきてくれるんだ」と話してくれました。 「えっ?さんすうおじさんって?」と訊いて教えてもらって、始めて知りました。「さんすうおじさん」が出てくる絵本があるということを。 けれども、絵本は手元にないので、題名も出版社も分かりません。親に聞いてみると、「このくらいの大きさで、たぶん福音館だろう」と言うことでした。 早速私は、書店を探しました。しかし見つかりません。近くの書店は全部探してみましたが見つかりません。もちろん、店員さんにも聞きましたが、題名もはっきり分からないので、探しようがありませんでした。 その後、甥の家に電話して聞いても本の現物がないため分からず、県庁所在地の書店でも探してみましたが見つかりませんでした。 それからというもの、どこかの書店に入ったら、児童書コーナーを探してみるのが習慣になっていました。 たしか、甥に始めてその絵本のことを聞いてから数ヵ月後だったと思います。 東京に行く用事があって、神保町や新宿の大きな書店で探したのですがやはり見つからず、帰りの新幹線に乗るまで1時間ほどあったので、八重洲ブックセンターに入りました。ここでも、見つからず、「ああ、やっぱりないか」と帰ろうとしたとき、店員さんが、「もしかしたら福音館じゃなくて、偕成社じゃないですか?」と言ってある本を持ってきてくれました。 「ああ! それです。それです!」 「さんすうおじさん」ではなくて、「たしざんおじさん」でした。もちろん、本の題名はそれともちがいます。 この絵本は、私の直感どおり、傑作でした。 小さな子供に算数を教えられる、いい絵本はあまりありません。 小さな子供は、興味がなければプイと見向きもしなくなります。(そこが小さな子供のいいところです。)それだけに、小さな子供に与えるには、親の働きかけも大切ですが、絵本そのものも、子供をひきつけるものでなくてはならないのです。 この絵本は、子供を飽きさせず、他の絵本のように楽しみながら何度も一緒に読みました。 さて、私の甥の家に毎晩やってきていたという「さんすうおじさん」は、もちろん、彼の父親でした。 そのとき、私の頭の中にヒントが浮かんだのでした。 いい教材がなければ、自分で作ればいいんだ、と。 それまで、いろいろと、小さな子供が取り組めるようなプリント教材を探していたのですが、どこにも私のチェックに耐えられるだけの優れたものはなかったのです。 こうして思い出してみると、あの「さんすうおじさん」は、《スーパーらくらくプリント》の生みの親だったわけです。 絵本の話に戻ります。 題名も分からず、出版社も間違っていては、どんなに探しても見つけようがない、という教訓でした。 (それにしても、あのときの八重洲ブックセンターの店員さんには感謝です。) このコラムをお読みの方は、たぶん、これだけの情報でも探せば見つけられるでしょう。題名か、出版社かのどちらかが分かれば、少々苦労はしてもきっと見つけられると思います。(絶版にさえなっていなければ。) この絵本の題名が手っ取り早く知りたいという方は、このページの後の方をご覧ください↓。 以上は、ある絵本との出会いのお話でした。 よい書物との出会いは人生を左右することもあるでしょう。 そしてきっかけがなければ、すぐ近くにそのようなよい出会いが待っていたとしても、素通りして通り過ぎていってしまうかもしれません。 次回は、(私にとっての)書物を通してのもっと大きな出会いについて、書いてみます。 絵本の紹介は、もう少し下です。 ↓ ↓ あと少し少しです。 ↓ ↓ お待たせしました。
他に、時計の本もお勧めです。
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